イスラエルのUAEの和平協定、モーリシャス沖オイルタンカー座礁に対する日本人、日本政府の無関心さに見える私たちの心根

結局は、江戸時代までに出来上がってしまった、日本以外の国に対する日本人の態度がいまだに残ってしまっているということなのでしょうか。
日本人は、日本以外のことについては、よそ事だと思っているかのようです。

ごく最近の例でいうと、表題にもあげた、中東での大きな動きや、日本企業が起こしてしまったことである、タンカーの座礁による重油の流出に対しても、私たち一般の人たち、ひいては政府さえも無関心であり、そもそもどう対応、それ以前にどう捉えたらいいのかすらわからないのではないのか、と思われるふしさえあります。(重油流出の問題に関しては、外務省などが対応している他、環境省からも調査員だかを五名ほど現地に送る、と発表したらしいですが、政府の対応として、そもそも遅すぎるし、真摯さが完全に欠けています)

これに似た例は他にもいくらでもあります。台風情報で、気象衛星からの画面では、フィリピンなり、台風なりに直撃しているのに、天気予報でいわれるのは、日本へ来るかどうか、いつ来るのか、ということばかりです。他国が被害を受けようと無関心なのです。
たまたま台風が日本列島から見て西にそれて、朝鮮半島を直撃していても、韓国の被害などには全く、触れません。日本さえ無事ならばそれでいい、といっているかのようです。(先日、西日本を襲った集中豪雨のときには韓国の被害も少しだけ報道していましたが)

少し話は違いますが、在日米軍の飛行機やヘリコプターが墜落した時でさえ、地方の首長がいうことはその危険さを米軍と日本政府に抗議することだけです。まず、気にするべきなのは乗組員の安否なのではないですか。もしもわたしがアメリカ人だったら、日本の対応に、驚き呆れ、怒ることでしょう。(もしかしたら、ニュースの編集でカットされているのかもしれませんが、いずれにしろ、報道では米軍への抗議が主な主題として伝わっています。つまり、もしも、首長には常識があったとしても、報道機関にはない、ということです。だって、今述べたことを言った人は、テレビ、新聞などの中では見たことがありません)

いまだに開国は無理矢理だったのだ、とでも言うつもりなのでしょうか。それが通用するのは、せいぜい日露戦争の頃まででしょう。

第一次世界大戦のあとの和平交渉で、五大国の一員であった日本が、自分の国益に関わらないことには一切の発言をしないで他国を失望かつ呆れさせた、というのはよく知られた話ですが、その頃とほとんど変わっていないのです。そんなことをいったら外務省は怒るでしょうが。

考えるに、これは日本だけの問題ではないようです。今、しきりに勢力を伸ばそうといている中国も、おそらく、自国と関係のないことには関わらないようにしているのではないでしょうか。そうではない例があるように見えても、それは、それをきっかけにして利権をとろうといているだけでしょう。

くわしくは知らないので、無責任なようですが印象でものをいうことになってしまいますが、中東やアフリカ、南米諸国も大差ないかもしれません。
つまりは、欧米以外は皆、同じなのかもしれません。
これはどういうことかというと、現在、世界で通用しているルールは、欧米人がつくったものであって、これは必ずしも、他の地域の慣習と同じわけではないからかもしれません。欧米人以外にとって、今、世界で使われているルールは、頭では理解しても、いわば、皮膚感覚が違う部分があるのでしょう。だから、自分に直接に関わりのあること以外のことは、どう反応していいのかわからないのかもしれません。(わたしだって、利いた風なことをいっていますが、同じですから)

しかし、しかしです。もうそれは通用しないでしょう。
いつまでも、鬼ごっこでいうところの“まめ”でいられるわけはありませんし、また、それに甘んじてもいけないはずです。

ただ、どうすれば変わることが出来るのか、ということになると、全く、わかりませんが。

(これはあまり考えたくないシナリオですが、中国が世界を掌握して、世界のルールが変わるということもまったく、考えられなくはありません。もしもそうなったとしたら、中華秩序であれば、私たちにも慣れ親しんだものであるでしょうから、こういう問題はなくなるでしょう)