熱帯夜は確かに暑いけれども・・

わたしは仕事が終わると、夜の11時位に、20分歩いて自宅アパートまで帰ります。

結構、蒸し暑い中を歩くことになるわけですが、途中、ふっと、涼しい風を感じるところがあります。

そこは、アスファルトの道に面して神社があるのです。
広さにして、大体、テニスコート2面位でしょうか。当然、その構内は舗装されているわけもなく、土が剥き出しになっているわけですね。

それで思うのは、昼間の暑さはともかくとして、日が落ちても、夜中になってさえ、さほど気温が下がらないのは地面がアスファルトとコンクリートで覆われているからだよなぁ、ということです。たぶん、地面が土だと、地中の水分が蒸発するときに、気化熱が奪われるので、温度が下がるのでしょう。

地面をアスファルトとコンクリートで覆ったのは、私たちです。夜中まで暑さで苦しんで、あまつさえ、熱中症で亡くなったりしているのも、私たちです。夜中まで冷房をかけて、さらに、気温を上げているのも、私たちです。

責めているのではありません。責める資格もないのかもしれません。いわば、ただの感想です。

野生動物を取り上げた、テレビのドキュメンタリーなどで昔からよくいわれることですが、肉食動物も腹が減っていなければ、他の動物を襲うことはない、だから、その間は草食動物も彼らを怖れることはないらしいです。
食べきれないで余った肉を保存する手段がないのですから、当たり前といえば当たり前といえますが、そのお陰で、草食動物が食い尽くされて絶滅してしまい、肉食動物も食べ物がなくなって、また、絶滅する、などということもないわけです。
何をいっているのかというと、少なくとも、彼らは自分で自分を苦しめるようなことはしない、ということです。

では、何故、ひとり、人間のみがそういう愚かともいえることをしてしまうのか。
その答えは、ヒトは常に技術革新をすることにより、変化を起こしてしまうことにあるのではないでしょうか。

人間以外の動植物たちが環境を破壊せずに秩序を保っていられるのは、そこに至るまでに長い長い時間があり、その間にバランスが保たれるようにそれぞれが進化していったからでしょう。
ですから、外来生物が入り込んだりすると、生態系が無茶苦茶になったりすることもあるわけです。

人間も、技術革新がやんで、周りが変わることがなくなれば、徐々に、規律、礼儀、マナー、その他もろもろ、その状態に適応した社会をつくりあげて、少なくとも、心の平穏は今よりは得られるようになることでしょう。

しかし、どうやら、ヒトというのは、変化を止められるようにはつくられていないようです。

ですから、これからも、自分たちの性質と上手く付き合いながら、どうにかやっていかなければならないわけですが、少なくとも、自らつくりだした熱帯夜を、さも、自然現象だ、みたいな顔をして迷惑がるのはやめていただきたいのです。恥ずかしいので。