教養とは、"場"を管理する能力のこと

教養はよく、知識と同じ意味で使われますが、勿論、両者は同じものではないでしょう。
おそらく、教養がある、と思わせる人は大抵、深い知識をもっているので、混同してしまうのでしょう。
教養がある、とは、人と人とのつながりがある場所を、正常に運営する能力のことだと思います。
わかりづらいですね、例えば、何人か仲間同士
で、話をしている時、話が続かなくなった時に新しい話題を振る、とか、少し、険悪な雰囲気になった時に仲間の緊張をといてあげる。または、 仕事の上のことで議論しているとき、皆から意見を引きだしこれをとりまとめ、結論を出す。
これらすべて、教養のなせる技であると思います

いわゆるリーダーシップと違うところは、リーダーの仕事というのは決断することだ、とよくいわれます。決断する、というのは、つまり、目標を明確にするということです。
ダイキンの話ですが、家庭用エアコン部門が不調だった時期があったそうです。その部門からの撤退も検討されたそうですが、その時、社長が顧客の要望を調べ
、エアコンを冬に使うと、ただでさえ乾燥している所に、さらに乾燥が進んでしまうことに不満を持っていることを知ったそうです。それで、ここに活路を見出だして、全社を挙げて、湿度をコントロールできるエアコンの開発に取り組むよう、指示を出したとのことです。
注目すべき所は、そのときはそのような技術は勿論、どうすればそのようなことが可能になるのかのアイデアも全くなかった、ということです。
結果として、商品を開発した技術陣も、素晴らしいですが、(勿論、うるるとさららのことです)
決断して、目標を明確にし、それを全社に徹底させた社長の手腕は、まさにリーダーシップの理想の形といえるのではないでしょうか。

教養のある振舞とは、それに対し、自らは余り表にでずに、周りの環境を整えてあげることに真骨頂があるのではないでしょうか。
そのような行為をする人間は、往々にして知識も豊富であるので、それが目立ったために、教養=知識、といったイメージが出来上がったのではないでしょうか。